メンフィスベルとの遭遇
昔、オハイオ州の友人宅にステイしていたときの事、明日飛行場に行くといいものが見れるよとのお知らせ。で、翌日さっそく飛行場に行ってみました。待つことしばし、西の空に黒点一個。近づいて来ると何やら串ダンゴのような飛行機です。さらに近づくと爆音と共に四発のレシプロエンジン飛行機でした。
飛行場の確認なのか、西から東へ超低空でパス、上昇しながら左旋回、(怪鳥が飛んでいるように見えました)北から南に向って着陸態勢に、けっこう風に揺られていましたが無事着陸。タキシングで私たちが居るエプロンの前にやって来ました。その爆音の凄まじい事、耳を塞いでいないと鼓膜が破れそうでした。で、ブツはと言うとその昔空の要塞と呼ばれたB-17G型爆撃機でした。それも、あの映画に実際に使われたメンフィスベル号そのものです。
レシプロエンジンの単発機は結構見ましたが、四発は初めてでした。腹の底まで響く
ような排気音、P&H R1820 星型空冷9気筒 1200馬力ターボ付き、合計4800馬力 排気量124000cc これが一度に回っているのですから圧巻です。いかなるバイクや車のエンジンでも足元にも及ばない迫力があります。

着陸後係りの人に頼んで見物させてもらいました。この辺はアメリカ人ってフランクでいいですよね、あっさりOKしてくれました。この日は平日で私らのほかは誰も居ませんでしたので、じっくり観察できました。それにしてもデカイ!60数年も前にこんなもんを作って飛んでいたんですから驚きです。大きすぎて画像が収まりきれずに申し訳有りませ~ん。機首にメンフィスベルのノーズアートが描かれています。エンジン部を覗き込んで見ると結構オイル漏れがしていてカウリングの中がオイルで汚れていました。当時日本のエンジンは加工精度や材質が悪くオイル漏れが酷かったと聞きましたが、アメリカもかょ~。と思いましたが60数年飛んでるだけでも驚異ですょね。
エンジンカウル後部に巨大な排気タービンが付いていました。
当時こんな物を作っていた国と日本は戦争をしたんですね。気合と精神力と竹槍では絶対に勝てません。おろかな争いはしてはいけません。
今でも爆音が耳に残っています。今度は何時かチャンスが有れば是非、乗って飛んでみたいですね~。2010/5/21(金) 午前 0:00